議論のまとめ概要
審議機関: 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会(第30回、令和7年7月4日)
検討対象: 高齢者に対する沈降15価(PCV15)及び20価(PCV20)肺炎球菌結合型ワクチンの定期接種への導入
主要な知見評価
疾病負荷
IPD(侵襲性肺炎球菌感染症)・肺炎球菌性肺炎: 高齢者において疾病負荷が高く、予防は公衆衛生上重要
血清型カバー率: PCV20及び23価ポリサッカライドワクチン(PPSV23)がカバーする血清型の割合はPCV15より高い
間接効果: 小児のPCV接種による高齢者への間接効果は確認されているが、成人間での間接効果の報告はない
ワクチンの有効性
PCV15・PCV20: 現時点で臨床的有効性の直接的知見はないが、PCV13と比較して非劣性または十分な免疫応答を確認
PCV13準用: カバーする血清型のIPD・肺炎球菌感染症に対してPCV13の知見を準用することは妥当
持続期間: PCV13の有効性は少なくとも4-5年間持続、高齢になるほど効果は低下
費用対効果分析
65歳接種: 現行PPSV23と比較してPCV20が最も費用対効果に優れ、PCV15及びPCV15-PPSV23連続接種も良好
年齢別効果: 65歳・70歳での接種は費用対効果良好、75歳・80歳では悪化
結論・とりまとめ
ワクチン変更
推奨: 定期接種で使用するワクチンをPPSV23からPCV20に変更することが妥当
接種年齢
現行維持: 65歳での接種は適切 制度検討: PPSV23接種歴者を含め70歳での接種も費用対効果良好のため、対象年齢について制度上の検討が必要
今後の審議
この技術的とりまとめを踏まえ、定期接種で使用するワクチン及び接種対象年齢等については引き続き予防接種基本方針部会等で審議することが妥当とされた。