環境省が2025年7月25日に公表したグリーンボンドガイドライン及びグリーンローンガイドラインの付属書1別表（グリーンリスト）改訂について報告している。
今回の改訂では、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの加速化や、自然資本の保全・回復に資する事業の拡充を図ることを目的として、対象事業の範囲が拡大された。特に、再生可能エネルギー分野では洋上風力発電や地熱発電などの新技術、省エネルギー分野では次世代自動車や高効率機器の導入などが新たに追加されている。
循環経済（サーキュラーエコノミー）の推進に向けた事業についても対象範囲が拡充され、廃棄物の削減・再利用・リサイクルに関する技術開発や設備投資が明確に位置づけられた。また、生物多様性の保全に資する事業として、森林保全や海洋環境の改善に関する取り組みも追加されている。
金融機関にとっては、ESG投資の対象となる事業の選定基準がより明確になり、投資判断の透明性が向上することが期待される。企業においても、環境配慮型の事業展開を行う際の資金調達手段として、グリーンボンドやグリーンローンの活用がより促進される。
この改訂により、日本における持続可能な金融市場の発展と脱炭素社会の実現に向けた民間投資の拡大が期待される。