調査概要 経済産業省が令和6年度に実施した産業技術基盤整備に関する包括的な調査研究の成果をまとめた報告書です。わが国の製造業における技術革新の促進、産業競争力の強化、サプライチェーンの安定化を目的とした政策提言を含んでいます。
重要指標・データ 製造業の設備投資額は前年度比12.3％増の45.2兆円となり、特にデジタル技術関連投資が28.7％の大幅増加を記録しました。また、中小製造業の技術開発投資比率は売上高の3.4％に達し、過去5年間で最高水準となりました。研究開発税制の活用企業数は前年度から15.8％増加し、8,245社に達しています。
政策提言内容 報告書では、2030年に向けた製造業DXの加速化として、年間2,000億円規模の支援制度創設を提案しています。具体的には、AI・IoT導入支援で中小企業への補助率を現行の3分の2から4分の3に引き上げ、年間1,200社の支援を目標としています。さらに、技術人材育成プログラムの拡充により、今後5年間で10万人の高度技術者育成を目指すとしています。
今後の展望 令和7年度からの新たな産業技術戦略として、カーボンニュートラル技術の実用化加速に年間800億円の予算配分を提案し、次世代エネルギー技術の国際競争力向上を図るとしています。また、国際標準化活動の強化により、日本発の技術標準を年間50件以上策定することを目標に掲げています。