日本銀行松山支店が2025年7月に公表した愛媛県金融経済概況について分析したものです。
愛媛県の景気は一部に弱めの動きがみられるものの、基調としては持ち直しています。個人消費は物価上昇の影響を受けつつも緩やかに回復しており、業態・品目別では大型小売店販売(百貨店、スーパー、ドラッグストア等)が持ち直し、コンビニエンスストア販売が堅調に推移、乗用車販売が持ち直し、宿泊・観光施設の入込みが堅調に推移している一方、家電販売は横ばい圏内で推移しています。住宅投資は弱い動きとなっている一方、設備投資は増加し、公共投資は高水準で推移しています。輸出については一部に弱い動きがみられています。
生産は弱い動きとなっており、業種別では繊維が弱めの動き、紙・パルプが減少、化学が弱い動き、プラスチック製品と電気機械が低調に推移している一方、非鉄金属が堅調に推移、食料品が持ち直し、はん用・生産用機械が横ばい圏内で推移、輸送機械(造船)が高操業となっています。雇用・所得環境は緩やかに持ち直しており、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は3%程度のプラスとなっています。
企業倒産は前年を上回って推移している一方、金融情勢では実質預金、貸出金とも前年を上回っており、貸出約定平均金利は前月比上昇しています。造船業の高操業が特徴的で、愛媛県の主要産業である造船業が景気を下支えしている状況が伺えます。
記事は、愛媛県経済が基調として持ち直している一方、繊維や化学など一部製造業の弱さや住宅投資の低迷など課題も抱えていることを示しています。