世界経済の潮流2025年Ⅰ 第1章第3節:欧州の景気動向

内閣府が公表した「世界経済の潮流2025年Ⅰ」第1章第3節では、2025年第1四半期のユーロ圏・英国経済の動向を分析している。

1.ユーロ圏経済の動向 2025年1-3月期のユーロ圏では実質GDP成長率が前期比で上昇傾向を示し、景気は持ち直しの動きが見られる。個人消費は実質賃金の改善(前年同期比0.9%増、名目賃金3.3%・消費者物価2.3%)により持ち直している。実質小売販売額は2025年4月に101.9を記録し、消費回復を裏付けている。

しかし、家計貯蓄率は2024年10-12月期に14.6%と2016-19年平均を大幅上回る高水準で推移。貯蓄志向は米国政策動向・ドイツ政局不安により指数28.5と2015-19年平均(11.0)の2.6倍に達し、経済見通しDIも停滞が継続している。

設備投資は2025年1-3月期に持ち直しを示し、政策金利低下とドイツ連立政権成立(CDU・CSU・SPD、メルツ政権発足)による政策不透明感解消が寄与。欧州再軍備計画(1,500億ユーロ融資制度)により防衛関連投資も期待される。

財輸出は一部米国向け駆け込み輸出により増加。主要輸出相手国は米国(16.8%)、英国(10.1%)、ポーランド(7.4%)、中国(6.7%)。品目別では化学・基礎薬品(20.6%)がけん引し、特にアイルランドの製薬企業集積により医薬品輸出が堅調。

2.英国経済の動向 英国では2023年10-12月期以降実質GDP成長率がプラスで推移し、景気は持ち直している。2025年1-3月期は前期比年率2.9%成長を記録。

個人消費は実質賃金改善(2025年1-3月期:実質賃金1.7%増、名目賃金3.7%・消費者物価3.7%)により持ち直し、サービス・半耐久消費財・耐久消費財すべてで堅調。実質小売販売額は2025年4月に95.5まで回復。

自動車新規登録台数は2025年2月に8.4万台と2019年2月(8.2万台)を上回り、感染症拡大前水準への回復の兆しを示している。

消費者物価は2022年ピークから大幅鈍化し、イングランド銀行目標に近づいている。実質賃金は2023年4-6月期以降プラス推移が継続。

結論 両地域とも実質賃金改善による消費持ち直しが見られるものの、ユーロ圏では高貯蓄志向と政策不透明感、英国では構造的課題により、自律的成長軌道への復帰には時間を要すると予想される。

※ この要約はAIによって自動生成されました。正確性については元記事をご参照ください。

関連記事