TICAD9併催イベント概要
第9回アフリカ開発会議(TICAD9)併催事業として、ジェトロが8月20〜22日に横浜市で「TICAD Business Expo & Conference(TBEC)」を開催。8月21日にアフリカ進出日本企業によるパネルディスカッション「アフリカで挑戦する日本企業:現地と共に創るビジネスの可能性」を実施した。
アフリカ経済の現状分析
アクセルアフリカの横山裕司代表取締役による市場分析では、各国の成長分野が明確化。ナイジェリアはテクノロジー・金融分野、エチオピアは製造業・農業分野、ガーナは天然資源・インフラ投資、ルワンダ・ボツワナは観光・イノベーション、コートジボワールは西アフリカ仏語圏で最も勢いがある市場として紹介。
スタートアップ投資動向
2025年上半期(1〜6月)のアフリカ・スタートアップ投資額は前年同期比78%増の14億ドル超を記録。フィンテック分野でモバイルマネー・マイクロファイナンス普及が進展し、国際送金・低手数料決済サービス提供スタートアップが台頭。クリーンテック分野では再生可能エネルギーに加え、スマート農業・電気モビリティー・廃棄物処理への注目が集まっている。
日本企業の具体的取り組み
パナソニック インフォメーションシステムズ: 中古PC寄付活動を通じた教育・雇用創出支援 MAGO MOTORS JAPAN: ガーナでEV・リサイクル事業・農業展開、先進国廃棄物問題への啓発活動 武蔵精密工業: ケニア・エチオピアで環境配慮型二輪EV展開、現地の日本技術への信頼活用 Shift 80: ケニアのスラム街で古着活用ファッション事業、現地デザイナー協業による双方向支援
現地パートナーシップの重要性
参加企業からは政情不安定リスクを抱えるアフリカ諸国において、現地パートナーとの密なコミュニケーションが事業成功の鍵であることが共有された。技術移転・雇用創出・環境問題解決を通じた持続可能なビジネスモデル構築の重要性が強調されている。