自動車生産実績
2024年生産台数: 国際自動車工業連合会(OICA)によると、イランの2024年自動車生産台数は107万7,839台(前年比1.1%減)。乗用車97万7,776台、バス等1,219台となった。
主要3社の状況: 政府機関Codalの統計では、イラン暦1403年(2024年3月20日~2025年3月20日)の主要3社の実績は以下の通り:
- イランホドロ: 生産53万7,429台(前年比0.3%増)、販売額2,508兆7,783億リアル(約3,763億円)
- パールスホドロ: 生産10万3,227台(1.3%増)、販売額302兆5,380億リアル
- サイパ: 生産34万834台(1.5%減)、販売額1,081兆9,907億リアル
ブランド別生産動向
首位ブランド: サイパの「X200グループ」が生産台数最多で20万8,098台(販売19万9,101台、販売額562兆3,500億リアル)、次いでイランホドロの「Peugeot」16万9,335台、「Samand」13万6,006台が続く。
輸入部品の動向: 2024年の自動車車体(HSコード8707)および部品(8708)の輸入額合計は13億8,100万ドル(前年比40.1%減)。生産台数減少率(1.1%減)を大幅に上回る輸入減少となり、中国からの輸入が圧倒的な割合を占める。
EV普及政策の加速
充電インフラ整備: アターベク産業・鉱業・貿易相が2024年7月、同年末までに国内3,000カ所にEV用充電ポイント設置を発表。現在の1億2,000万リットルのガソリン消費のうち700万リットルを輸入しており、EVがガソリン需給不均衡の解決策とされる。
政府規制強化: イラン石油省が経済評議会決議に基づき、新設ガソリンスタンドに最低1基のEV充電スタンド設置を条件化。既存スタンドでもEV充電設備導入が推進される。
現状規模: MAPNAグループ関係者によると、国内に現在1万2,000台のEVが存在。テヘラン市内にAC充電器設置スタンド12カ所、対応駐車場5カ所を配備し、月次で供給電力を増強中。将来的には全ガソリンスタンドへのEV充電器設置が必要とされる。