事業概要
クレディセゾンは国際統括拠点のシンガポールを拠点に、セゾン・インターナショナルCEOの森航介氏主導でインドやブラジルなどの新興国において地場フィンテック企業との提携による中小零細企業・個人事業主向け融資事業を展開。金融機関が従来対象としてこなかった顧客への金融サービス提供「金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)」を商機と位置付けている。
グラブとの戦略的提携
転機となった提携: 2017年末にグラブ(東南アジア配車サービス大手)との資本業務提携が実現。2018年からシンガポール、フィリピン、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア6カ国でグラブの運転手・加盟店・消費者向けにデジタルレンディング事業を展開。
B2B2Cモデル確立: グラブのデータを活用した組込型金融(エンベデッド・ファイナンス)サービスを構築し、プラットフォーマーとの提携による市場参入モデルを確立。
インド事業の急成長
キセツ・セゾン・ファイナンス: 2019年からインド子会社で事業開始、2020年度に単年黒字化達成。現地フィンテック企業約100社と提携し、B2B形式で低リスク・低リターン領域から参入。
みずほ銀行との協業: 2024年2月にみずほ銀行がキセツ・セゾンに出資。中長期的な銀行ライセンスとノンバンクの組み合わせによる提携事業を視野。
ブラジル・メキシコ進出
新市場展開: 2023年からブラジル、メキシコでも事業開始。インドと同様にデジタル公共インフラ(DPI)整備、規制環境、フィンテックエコシステムの充実が進出理由。
2026年度目標と金融包摂戦略
グローバル事業目標: 2026年度までにグローバル事業単独で200億円利益達成目標。インドが中核、次いでブラジルが成長エンジン。
デジタル革命の活用: スマートフォン普及とデジタル決済インフラ整備により、従来銀行が融資対象外としていた中小零細企業・個人事業主への電子的リーチが実現。オペレーションコストとリスクの大幅削減を達成し、現代版マイクロファイナンスとして事業を位置付け。