ベトナム税関局が発表した2025年7月の貿易統計について、輸出入とも6カ月連続のプラス成長を記録したことを解説したものです。
7月の貿易実績 2025年7月の輸出は422億8,764万ドル(前年同月比16.0%増)、輸入は399億9,852万ドル(17.8%増)となりました。2025年2月以降、輸出入ともに6カ月連続で前年同月を上回っており、ベトナム経済の堅調な成長が継続しています。7月の貿易収支は22億8,912万ドルの黒字を記録しましたが、前年同月の24億8,845万ドルの黒字からはやや減少しました。
主要貿易相手国の動向 輸出面では、1位の米国が142億1,793万ドル(前年同月比26.0%増)と大幅な成長を見せており、2位の中国が57億2,842万ドル(20.2%増)、3位の韓国が25億6,445万ドル(11.1%増)と続いています。輸入では1位の中国が167億3,632万ドル(前年同月比30.8%増)と急増しており、2位の韓国が53億216万ドル(3.5%増)、3位の台湾が32億2,388万ドル(55.1%増)となっています。
品目別の特徴と対米輸出依存 輸出品目では、コンピュータ電子製品・同部品、電話機・同部品、機械設備・同部品が上位3品目となっています。米国向け輸出において、玩具・スポーツ用品(66.0%)、木材・木製品(57.3%)、縫製品(46.6%)、コンピュータ電子製品・同部品(41.6%)、履物(40.4%)、機械設備・同部品(37.5%)の分野で、全体平均(33.6%)を大きく上回る依存度を示しており、これらの品目での米国市場への集中が顕著です。
輸入における中国依存の実態 輸入品目では、コンピュータ電子製品・同部品、機械設備・同部品、織布・生地が主要品目となっています。中国からの輸入では、電話機・同部品(82.7%)、鉄鋼製品(73.9%)、織布・生地(68.2%)、機械設備・同部品(65.7%)、プラスチック製品(64.5%)、鉄鋼(53.3%)の分野で、全体平均(41.8%)を大きく上回る高い依存度を示しており、中国への輸入依存が深刻な状況となっています。
記事は、ベトナムの貿易が堅調に成長を続ける一方で、特定の品目において米国・中国への依存度が極めて高い貿易構造を持つことが明らかになったと報告しています。