経済産業省、ジェトロ、日本経済団体連合会、日印経済委員会、駐日インド大使館が共同主催で2025年8月29日に開催した「日印経済フォーラム」について、武藤経済産業大臣の参加と民間企業170件の覚書発表を中心に報告したものです。
フォーラムの成果
民間覚書170件の発表: 石破内閣総理大臣とインドのモディ首相の前で、2023年以降に締結された170件の民間覚書が発表されました。これにより、日印経済関係の深化と民間ビジネスの促進、今後のさらなる連携強化が明確にアピールされました。
両首脳のスピーチ: 石破総理とモディ首相によるスピーチが行われ、経団連・インド工業連盟によるビジネス・リーダーズ・フォーラム共同声明についても報告されました。
武藤経済産業大臣の貢献
閉会挨拶: 武藤大臣は本フォーラムの閉会挨拶を担当し、170件の覚書発表を祝福するとともに、日印経済関係の強化を強調しました。人的交流の拡大、先端技術分野での協力、経済安全保障を含む多角的な議論が行われたことを歓迎し、次世代の成長を支える協力の重要性を表明しました。
主要セッションの内容
セッション1 - 人的交流の拡大: 高砂電気工業の平谷治之社長、メルカリの梅澤亮執行役員、ファインディの山田裕一朗代表取締役が登壇し、日印次世代経済のための高度人材分野での交流について議論しました。
セッション2 - 先端産業協力: 富士通のヴィヴェック・マハジャンCTO、アストロスケールの加藤英毅社長、経済産業省の高濵宇宙産業課長が登壇し、半導体、宇宙・航空産業などの最先端分野における日印協力を議論しました。
セッション3 - 次世代エネルギー・モビリティ協力: 三井物産の榎本善之インド総代表、スズキの鈴木浩一常務役員、エア・ウォーターの田中真子グリーンイノベーション開発センター長が登壇し、日印科学技術連携によるグローバル市場アプローチを討議しました。また、浅尾環境大臣も参加してスピーチを行いました。
戦略的意義
本フォーラムは、インドのモディ首相訪日を機に開催され、両国の政府関係者と企業が一堂に会する重要な経済外交の場となりました。170件という大規模な民間覚書の発表は、両国間の経済連携の深化と民間レベルでの実質的な協力関係の拡大を示す象徴的な成果となっています。
記事は、日印経済フォーラムが両国首脳の政治的リーダーシップの下で大規模な民間協力の枠組みを構築し、人材交流、先端技術、エネルギー・モビリティの各分野で次世代の経済成長を支える戦略的パートナーシップを確立したことを示しています。