プログラム概要
マレーシア国営石油会社ペトロナス主催のアクセラレーションプログラム「FUTURE TECH4.0」で、3カ月間の集大成として8月25日にクアラルンプールでDemoDayを開催。ジェトロがエコシステムパートナーとして参画し、日本スタートアップの参入を支援。7カ国・地域22社の競争の中からアスエネ(東京都港区)が最優秀賞を受賞した。
日本企業の参加状況と成果
アスエネ: 法人向けCO2排出量見える化・削減支援を行う気候テック企業。濱田雅章カントリーマネジャーは「脱炭素規制導入が進むマレーシアに市場性を感じて参加。ペトロナスとの概念実証(POC)について協議進行中」と最優秀賞受賞の価値を強調。
カーボンクライオキャプチャー(茨城県つくば市): 独自分離・吸着材による低コストCO2回収技術保有。一ノ瀬泉代表取締役が「CO2回収効率向上について、ペトロナス技術部門と具体的数字を提示しながら検討推進」と事業拡大可能性に言及。
リルズ(沖縄県宜野湾市): AI活用アナログ計器用遠隔検査ソリューション提供。都里彩Head of Global Expansionは「Future Tech2.0卒業生のマレーシア企業グラフィコとPOC決定。目視点検データの可視化技術で事業拡大を目指す」と具体的協業を発表。
審査委員の評価とエコシステム意義
パナソニックアジアパシフィックの森俊彦ダイレクターが審査委員として「成長著しい東南アジア市場で日本スタートアップが大手エネルギー財閥と連携するアプローチは、資源豊富なマレーシアならではの面白い展開」と評価。日本大企業の視点から「成長するアグリテック・エネルギー市場で現地課題をマレーシアから直接解決するスタートアップ増加の魅力」を指摘。
日本スタートアップの東南アジア展開戦略
ペトロナスという巨大エネルギー企業との連携により、日本の脱炭素・環境技術企業が東南アジア市場へ本格参入する機会を創出。ジェトロの継続的支援とマレーシア政府の脱炭素政策推進が相まって、日本企業の技術的優位性を活かした現地市場開拓の成功事例として位置付けられる。