障害者の働く職場のコミュニケーションに関するアイデア集について、職場での配慮と工夫の具体例を紹介したマニュアルの概要を解説したものです。
本アイデア集は、障害者職業総合センターが2025年3月に発行したマニュアルNo.83で、職場での情報のやり取りに関して障害に起因する課題に直面している障害者への支援方法を具体的に紹介しています。当センターが実施したヒアリング調査に基づき、事業主や障害者本人が行っている配慮や工夫をまとめています。
職場でのコミュニケーションを「フォーマルコミュニケーション」(業務に関するやり取り)と「インフォーマルコミュニケーション」(業務以外の内容を含む雑談等)の2つに分類し、それぞれについて配慮事例を整理しています。また、障害特性に応じて「感覚機能に障害のある障害種別」(聴覚障害・視覚障害)と「認知機能に障害のある障害種別」(知的・発達・精神・高次脳機能障害)の2つのカテゴリーに分けて対応策を紹介しています。
感覚機能障害には、情報を受け取れる媒体・方法での伝達が中心となり、認知機能障害には、情報量の調整や伝達内容の分かりやすさへの配慮が重要とされています。フォーマルコミュニケーションでは定例ミーティングや業務指示伝達、インフォーマルコミュニケーションでは休憩時間での雑談や社内イベントでの交流などが含まれます。
このアイデア集は、組織の生産性向上だけでなく、働きやすく風通しの良い職場づくりに役立つことを目的とし、障害者とその上司や同僚が共に生き生きと働ける職場を目指す際のヒントとして活用できるよう、PDFでダウンロード可能な形で提供されています。
記事は、職場での情報のやり取りの円滑化が障害者雇用の成功に不可欠であり、具体的な配慮事例の共有により、より良い職場環境の構築が可能になると結論づけています。