【FDI流入額の大幅増加】 サウジアラビア総合統計庁（GASTAT）が2025年9月3日発表した2024年の外国直接投資統計によると、FDI流入額（フロー）は1,192億リヤル（約4兆6,488億円、1リヤル＝約39円）で前年比24％の大幅増加となった。一方、流出額は392億リヤルで前年の104億リヤルから大幅拡大した。
【産業別投資動向】 流入額では製造業が351億リヤル（全体の29％）で最大シェア、次に卸売・小売業、自動車・オートバイ修理業が182億リヤル（15％）、建設業が175億リヤル（15％）が続いた。流出額では製造業が167億リヤル（43％）で最大、建設業59億リヤル（15％）、運輸・倉庫業50億リヤル（13％）の順となった。
【国別投資パターン】 純流入額（ネット）は前年比6％減の800億リヤルだった。国別では米国が106億リヤルで最大の純流入、UAE92億リヤル、フランス43億リヤルが続いた。2024年末の外国直接投資残高は前年比9％増の9,770億リヤルに達し、国別ではUAE（1,613億リヤル）、ルクセンブルク（1,009億リヤル）、フランス（694億リヤル）が上位を占めた。
【経済多角化の成果】 この投資増加は、サウジアラビアのビジョン2030に基づく経済多角化戦略と非石油部門の成長促進策が功を奏している結果と見られる。製造業への高い投資集中は、同国の産業基盤強化への取り組みを反映している。