新生産拠点建設計画発表
日立製作所の子会社で送配電事業を展開する日立エナジーは2025年8月19日、ブラジルのサンパウロ州ピンダモニャンカバ市に変圧器の新生産拠点を建設すると発表した。同社のルイス・ラモス・チーフコミュニケーションズ&ガバメントリレーションズオフィサーは「エネルギー移行や人工知能の進展により電力需要が増加しており、変圧器は電力供給拡大に不可欠である」と述べた。
新拠点の規模と建設計画
建設概要:
- 敷地面積: 80万平方メートル
- 工場面積: 4万6,300平方メートル
- 完成予定: 2028年半ばまで
雇用創出効果:
- 直接雇用: 450人
- 間接雇用: 約1,800人
地元自治体からの支援措置
ピンダモニャンカバ市は日立エナジーの投資を歓迎し、以下の支援策を提供:
税制優遇措置:
- 都市不動産所有税(IPTU)の15年間免除
- サービス税(ISS)の15年間免除
行政支援:
- 建設計画審査の迅速化
- 水道・電力のコンセッション企業との交渉支援
輸出戦略と立地選定理由
日立エナジーのアレシャンドレ・マルベイロ変圧器ビジネスユニット中南米ハブ責任者は、新拠点は輸出を前提に建設されると説明した。ピンダモニャンカバ市が選定された理由として、主要港であるサンパウロ州のサントス港およびリオデジャネイロ州のイタグアイ港へのアクセスの良さが挙げられている。
投資計画と既存拠点との関係
総投資額: 日立エナジーは2024年9月に、グアルーリョス工場拡大や新拠点建設などに2億ドルを投資すると発表。今回の公式リリースによると、2億ドルのうち8割(約1.6億ドル)がピンダモニャンカバ市の新拠点に充てられる見込み。
既存拠点: 現在、同社はサンパウロ州のグアルーリョス市およびサンタカタリーナ州ブルメナウ市に生産拠点を有している。今回の新拠点建設により、ブラジル国内での生産体制が大幅に拡充される。