地域防災体制の抜本的見直しに向けた中間とりまとめ
気象庁は外部有識者による「地域における気象防災業務に関する検討会」の中間とりまとめを2025年8月8日に公表しました。この検討会は全国の気象台が実施する地域防災力向上支援について、地域の様々な主体との連携のあり方および取組の充実・改善の方向性を包括的に検討しています。
従来の枠組みを超えた支援対象の拡大
これまでの検討により、現段階での大きな方向性として「自治体への支援の充実・改善」に加えて、ライフライン企業や交通関係事業者をはじめとする住民の安全・安心な生活と活動を支える様々な民間主体に対する支援についても検討が必要であることが明確化されました。この方針転換は、近年の気象災害の激甚化と広域化、さらに社会インフラの複雑化を踏まえた抜本的見直しを示しています。
包括的な防災情報活用体制の構築
検討会では、気象台による地域防災支援業務の充実策として、従来の自治体中心の支援体制から、電力・ガス・通信といったライフライン事業者、鉄道・道路・航空といった交通関係事業者への直接的支援体制の構築を検討しています。これにより、住民生活に直結するサービスを提供する事業者が気象情報を適切に活用し、災害時の事業継続や早期復旧につなげることが期待されています。
今後の検討スケジュール
気象庁は今回の中間とりまとめを受け、引き続き検討会を開催し、最終取りまとめに向けて具体的な支援策や連携体制の詳細について議論を継続します。最終的には、地域防災力の総合的な向上を目指し、官民一体となった新たな気象防災業務の枠組み構築を目指しています。