佐賀銀行と香港貿易発展局(HKTDC)の相互協力に関する覚書締結と海外ビジネス支援強化について解説したものです。
覚書締結の概要と目的
香港の貿易促進を目的とした法定機関である香港貿易発展局(HKTDC)は8月15日、佐賀銀行と地域間の経済・貿易強化を目的とした相互協力に関する覚書(MOU)を締結したと発表しました。この覚書は佐賀銀行が現在注力している「コンサルティング型営業」の一環として位置づけられ、顧客企業の海外ビジネスを支援することを目的としています。
覚書締結式典: 8月15日に開催された締結式典にはHKTDCの張淑芬(ソフィア・チョン)上席副総裁と佐賀銀行の坂井秀明頭取が出席し、坂井頭取は「佐賀にはまだ皆さんの知らないおいしい特産物がたくさんある。佐賀県や長崎、福岡の(佐賀銀行の顧客企業にとって)貿易と経済交流がますます活発になる」と述べました。
相互協力の具体的内容
5つの主要協力分野:
- 香港と日本間(主に佐賀県)の経済・貿易促進に向けた相互協力
- 貿易取引支援および経済・貿易情報の相互共有
- 相互のビジネス訪問の促進・受け入れ
- 香港・中国本土でのビジネスを希望する企業の紹介とサポート
- HKTDC主催の国際展示会や日本と香港の商談会への参加
張上席副総裁は覚書締結に対し「今回のMOU締結で、多くのメーカーや中小企業を支援できるようになると確信している」と応じ、同行との協力関係強化に期待を示しました。
Food Expo PRO 2025への参加実績
佐賀銀行は8月14日から16日までの3日間、グループ会社である地域商社のさぎんコネクトと共同で、HKTDCが主催するアジア最大規模の食品・食材見本市「Food Expo PRO 2025」に佐賀ブースを出展しました。
参加企業と支援内容:
- 顧客である取引先7社が販路拡大を目的に出展
- さぎんコネクトによる商品のサンプル出展7社
- 視察ミッション7社
- 計21社への支援を実施
16日までのBtoB(企業間取引)期間中、同行の行員が商談に立ち会い、交渉をサポートしました。
今後の展開戦略
継続的な輸出支援: 同行グループでは継続的な輸出成功事例を創出するため、輸出販路の開拓に意欲的な九州北部の企業を支援していく意向を示しています。
商圏拡大計画: 佐賀銀行は現在、海外での支店・事務所開設の計画はないものの、HKTDCとの提携を足掛かりに中国や東南アジアへの商圏拡大を目指すとしています。香港でのパートナー企業に関する情報収集や関係構築を強化していく方針です。
記事は、地方銀行による海外展開支援の新たなモデルとして、覚書を通じた戦略的パートナーシップの構築が顧客企業の国際ビジネス展開を効果的にサポートする仕組みであることを示しています。