令和7年度住宅市場動向調査の実施
国土交通省は2025年9月1日から「令和7年度住宅市場動向調査」を開始すると発表し、対象となる世帯に調査協力を呼びかけている。この調査は個人の住宅取得等の実態について包括的に把握することを目的とした重要な政策調査であり、今後の住宅政策の企画立案における基礎資料として活用される。
調査の目的と歴史的意義
住宅市場動向調査は平成13年度から毎年度継続実施されている長期統計調査である。個人の住宅取得時の資金調達方法、住宅取得の動機、購入資金の平均額、融資利用状況等について詳細な実態把握を行っている。この調査により得られるデータは住宅金融政策、住宅取得支援制度、住宅税制等の政策立案において重要な根拠資料として機能している。令和6年度の調査結果では、注文住宅の住宅購入資金平均が6188万円で最も高額であったことなど、具体的な市場実態が明らかになっている。
調査対象と実施方法
調査は住宅の種類ごとに対象を層化抽出し、注文住宅、分譲住宅、中古(既存)住宅、賃貸住宅、リフォーム住宅の5つのカテゴリーに分けて実施される。調査方法は郵送調査と訪問調査(留め置き調査)の2方式を採用し、対象となった世帯の住宅に調査票が郵送されるか、調査員が直接訪問する形で実施される。各住宅種別に応じて異なる調査票を使用し、それぞれの特性に応じた詳細な質問項目が設定されている。
データ管理と調査実施体制
調査は株式会社サーベイリサーチセンターが調査受託業者として実施しており、フリーコール(0120-380-271)による問い合わせ対応体制も整備している。収集された調査票は適切に管理され、調査目的以外での利用は厳格に禁止されている。このような厳密なデータ管理により、回答者のプライバシー保護と統計の信頼性確保を両立させている。
住宅政策への活用と社会的意義
この調査結果は住宅政策の効果測定と新規施策の検討において不可欠なデータソースとなっている。住宅取得時の資金調達実態を把握することで、住宅ローン制度の改善、住宅取得支援策の見直し、住宅税制の調整等に活用される。また住宅市場の動向把握により、適切な住宅供給政策の立案も可能となる。国民の住環境向上と安定した住宅市場形成のため、調査対象となった世帯の積極的な協力が求められており、調査協力により日本の住宅政策の質的向上に貢献することができる。