【エコスコア表示制度の施行開始】 フランスで衣類のエコスコア表示に関する施行令と省令が9月9日に公布され、「環境コスト」と名付けたエコスコアが10月1日から任意表示として施行される。規制案は5月に欧州委員会の承認を受けており、消費者により良識的な選択を促すとともに、製造業者にエコデザイン取り組みを奨励することを目的としている。
【表示対象カテゴリーと除外品目】 対象カテゴリーは下着、靴下、シャツ・ブラウス、ジーンズ、ワンピース・スカート、水着、コート・ジャケット、ズボン・ショートパンツ、セーター、Tシャツ・ポロシャツで衣類の大部分をカバーしている。一方、ブラジャーやダウンジャケットなどは基準値が未規定のため対象外となる。
【エコバリーズツールによる環境負荷算定】 エコスコアは、エコロジー転換・生物多様性・森林・海洋・漁業省がフランス環境エネルギー管理庁（ADEME）とオープンソースで開発した「エコバリーズ」ツールで計算される。EU製品環境フットプリント（PEF）の16基準に、マイクロファイバー放出、古着の欧州外輸出、修理インセンティブ、ファストファッション係数などフランス独自基準を追加している。
【気候変動対策法に基づく制度創設】 エコスコア導入は2021年8月公布の気候変動対策・レジリエンス強化法第2条で定められた。当初は義務表示予定だったが、欧州委承認を得るため施行段階で任意表示に修正された。ポイントが低いほど環境負荷が低く、製品全体と100グラム当たりのポイントを併せて表示し他製品との比較を可能にする。今後は家具や化粧品も対象となる予定である。