台湾による輸入規制撤廃案の公表
台湾衛生福利部は2025年9月1日、「輸入検査停止とする日本産食品の品目およびその生産・製造地域」の撤廃案を公表した。本撤廃案は60日の予告期間を設けており、各界からの意見を募集している。
撤廃される規制内容
対象5県の検査義務撤廃: 福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の5県の食品に義務づけられていた放射性物質検査報告書の添付が不要となる。
全日本産食品の証明書撤廃: 日本産すべての食品への産地証明書の添付も不要となる。
14年間の検査実績データ
検査ロット数: 2011年3月11日の東京電力福島第1原子力発電所事故後、14年間で日本から台湾への輸入時に26万3,000ロット以上の放射性物質検査を実施した。
適合率100%: すべての検査において台湾と日本、双方の基準に適合していることが確認されており、不合格率は0%という結果が示されている。
国際的な規制解除動向
世界的な解除傾向: 日本産食品に対して管理措置を取った53カ国・地域のうち、49カ国・地域が完全に規制を解除している。
現在の規制継続国: 輸入停止や放射性物質・産地証明を義務付けているのは4カ国・地域のみとなっており、台湾の規制撤廃により、さらに国際的な正常化が進むことが期待される。
日台貿易への影響
この規制撤廃により、日本の食品関連企業にとって台湾市場へのアクセスが大幅に改善され、特に対象5県の農産物・加工食品の輸出促進が期待される。14年間にわたる科学的検査データに基づく判断として、日台間の食品貿易正常化への重要な一歩となる。