本記事は、財務省「ファイナンス」誌の連載「各地の話題」として、名古屋税関四日市税関支署尾鷲出張所長の木全建介氏が執筆した東紀州地域の世界遺産と観光名所の紹介である。名古屋税関四日市税関支署尾鷲出張所は、1946年に四日市税関支署尾鷲監視署として戦後税関再開とともにスタートし、1963年に出張所に昇格した。現在は尾鷲市をはじめ、三重県南部の度会郡度会町、度会郡大紀町、北牟婁郡紀北町、熊野市、南牟婁郡御浜町及び南牟婁郡紀宝町を管轄している。尾鷲市は三重県南部東紀州地域の中央に位置し、北は紀北町、南は熊野市、西に奈良県、東は太平洋に囲まれた熊野灘のリアス海岸にある。古くから漁業と林業で栄え、高度経済成長期には火力発電所設置により第二次産業を発展させた。ブリの養殖が盛んで市の魚に指定され、海外での日本食人気により尾鷲のブリはアジア地域を中心に輸出されている。尾鷲市は全国有数の多雨地帯で年間降水量約4,000mmを記録し、雨粒が大きく跳ね返りが激しいため「尾鷲の雨は下から降る」と言われる。しかし日照時間は全国平均とほぼ同じで晴れの日も多い。管内の世界遺産として、2004年7月に登録された紀伊山地の三つの霊場(熊野三山、高野山、吉野・大峯)とそれらを結ぶ参詣道がある。特に熊野三山と伊勢神宮を結ぶ「熊野古道伊勢路」が重要で、尾鷲市は両地点の中間に位置し市内に4つの峠がある。筆者が実際に歩いた馬越峠は、尾鷲ヒノキと見事な石畳が続く美しい峠として知られ、天狗倉山頂上からは熊野灘を一望できる絶景が楽しめる。江戸時代の「伊勢に七度、熊野に三度」という言葉に表されるように、東紀州は人々の憧れの地だった。また、熊野市紀和町の丸山千枚田は、標高差約160mの斜面に1,340枚の水田が連なる日本最大規模の棚田で、日本の棚田百選にも選ばれている。1601年には2,240枚あったが昭和の転換対策や過疎化で530枚まで減少したものの、1993年の保存会結成により復元が進み、現在は丸山千枚田オーナー制度も実施されている。
各地の話題:世界遺産をめぐる~東紀州 / 歴史と自然にあふれ、思い出を“さがし”に行く街
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