埼玉りそな産業協力財団が2025年5月25日に秩父市・小鹿野町で開催された第75回全国植樹祭を契機として、埼玉県の森林の現状と持続可能なあり方について調査・分析した報告書です。
全国植樹祭は1959年の第10回以来、66年ぶりの埼玉県開催となり、大会テーマを「人・森・川 つなげ未来へ 彩の国」として開催されました。埼玉県は森林との結びつきが強く、江戸時代から昭和の時代にかけては現在の飯能市を中心とした地域から切り出された木材が「西川材」として品質的に高い評価を受け、家づくりなどに多く利用されていました。
森林の現状について、2022年3月末の全国の森林面積は2,502万haで国土面積3,780万haのおよそ3分の2を占めています。1966年に2,517万haであったことから、推移に大きな変化はなく、2022年の数字はほぼ横ばいとなっています。森林面積を増やすため、その体積「森林蓄積」は大きく増加しており、データのある1966年には森林蓄積は1,887百万m³であったものが、2022年には5,560百万m³へと2.95倍となっています。人工林・天然林等の生育別にみると、同期間に人工林が6.35倍、天然林等が1.52倍と、特に人工林の森林蓄積が進んでおり、森林資源の循環利用が進んでいない状況となっています。
埼玉県の森林について、森林面積は11.9万haで、県土面積38万haのおよそ3分の1を占めています。森林面積を都道府県別にみると、埼玉県は全国で下から7番目となっており、全国の森林面積の0.48%を占めています。東京圏では千葉県が14.8万haで、全国では下から5番目と埼玉県より少ない森林面積となっています。森林蓄積は35.8百万m³で、全国の森林蓄積の0.64%を占めています。
森林面積の内訳をみると、所有別では国有林が8%、民有林(自治体の公有林を含む)が92%、生育別では人工林が70%、天然林が30%となっており、全国同様、人工林の森林蓄積が進んでいることがうかがえます。
林業関係者の推移については、保有山林面積が1ha以上の世帯を林家というものの、林家数の推移をみると、全国では2000年に101.9万戸であったものが、2020年には69.0万戸へ32.3%の減少となっています。埼玉県では同期間に9.5千戸から5.7千戸へと40.0%の減少となっており、全国を上回る減少率を示しています。
記事は、埼玉県の森林資源が蓄積される一方で林業従事者の減少が深刻であり、森林資源の循環利用体制の構築が急務であることを示しています。