米国農務省が発表した2025年7月の穀物等需給報告について、世界の穀物需給動向と日本への影響を解説したものです。
2025/26年度の世界穀物需給は、生産量が消費量を下回る逼迫した状況が予想されています。小麦、トウモロコシ、コメ、大豆の主要4品目すべてで、気候変動による収穫量減少と新興国での消費量増加により、需給バランスの悪化が見込まれています。
穀物別では、小麦は干ばつで減産見込み、トウモロコシも天候不順で生産が伸び悩む予測です。コメはアジアの降雨パターン変化が影響し、大豆は植物性タンパク質需要により消費が生産を上回っています。
日本への影響として、穀物の国際価格上昇圧力が強まり、輸入依存度の高い日本では食料品価格の上昇や調達の不安定化が懸念されます。飼料用穀物の価格上昇による畜産物価格への波及も予想されます。
記事は、世界穀物需給の供給不足により、日本の食料安全保障強化が急務であると結論づけています。