都市農業の重要性と6つの機能について、最新の調査データと取組事例を交えて解説した農林水産省の情報提供資料です。
主要なポイント
1. 都市農業の現状と基本情報
- 資料名：都市農業をめぐる情勢について（令和7年7月）
- 総ページ数：全体版6,235KB、分割版3部構成
- 目的：都市農業・都市農地の多様な機能の理解促進
- 対象：都市住民、地方自治体、農業関係者
- 更新日：2025年7月10日
2. 都市農業の6つの機能と認識度
- ①新鮮な農産物の供給（地産地消機能）：約5割の都市住民が評価、約6割が地場産農産物購入希望
- ②身近な農業体験・交流活動の場の提供（交流創出機能）：約3割が認識、約4割が市民農園等に関心
- ③災害時の防災空間の確保（防災機能）：約4割が防災機能に期待
- ④やすらぎや潤いをもたらす緑地空間の提供（景観創出機能）：約4割が「やすらぎ」「潤い」を実感
- ⑤国土・環境の保全（環境保全機能）：約4割が雨水保水・地下水涵養機能を評価
- ⑥都市住民の農業への理解の醸成（食育・教育機能）：約6割が都市農業・都市農地の保全を希望
3. 防災協力農地の取組状況
- 概要：阪神・淡路大震災以降、都市農地の防災機能が再認識
- 制度内容：地方自治体と農家が災害時の避難空間・仮設住宅建設用地利用協定を締結
- 最新データ：令和6年3月31日時点の取組状況を集計
- 期待される役割：生活用水供給、緊急避難場所、農作物供給など多様な機能
- 都市住民の認識：約4割が災害時の防災機能として期待
4. 具体的な取組事例
- 大阪府：高度な施肥技術等による新鮮な農産物供給
- 愛知県大治町：学校給食における地産地消の推進
- 東京都練馬区：本格的な農業生産を体験できる農園運営
- 神奈川県川崎市：親子三代で地域住民との交流を図る農業生産
- 神奈川県横浜市：心やすらぐ「農」の風景体験プログラム
5. 都市住民の意識と農地保全への理解
- 都市農業・都市農地保全への支持：約6割の都市住民が保全を希望
- 農地との関わりと保全意識の相関：身近に農地がある住民ほど保全意識が高い傾向
- 地産地消への関心：日常生活圏内の農産物購入希望者が約6割
- 農業体験への参加意欲：約4割が市民農園や農業体験に関心
- 多様な機能への評価：防災、環境保全、景観、食育など複合的価値を認識
記事は、都市農業が単なる農産物生産にとどまらず、防災、環境保全、コミュニティ形成、食育など多様な機能を持ち、都市住民の生活の質向上に重要な役割を果たしていることを示しています。