2024年の家計消費状況調査の結果について、ネットショッピングと電子マネーの利用状況を中心に分析したものです。
主要なポイント
1. ネットショッピング利用状況の過去最高記録
- 二人以上世帯のネットショッピング利用割合は55.3%で過去最高(前年53.5%)
- 月平均支出金額は24,928円、利用世帯当たり45,047円といずれも過去最多
- 名目増減率8.3%増加で物価上昇分(3.2%)を上回る実質的な増加
- 全年齢階級で支出増加、特に60~69歳が11.4%増で最も高い増加率
2. ネットショッピング支出の内訳と特徴
- 支出割合:食料21.0%、旅行関係費20.8%、衣類・履物10.2%が上位3項目
- 旅行関係費が前年比15.5%増で最も高い増加率(全年齢階級で増加)
- 2019年比では食料が163.1%増、保険89.2%増、チケット57.9%増、旅行関係費52.5%増
- 教養関係費では電子書籍、ダウンロード版コンテンツの支出が増加
3. 電子マネーの保有・利用状況の拡大
- 電子マネー保有世帯の割合は74.1%で過去最高(前年比1.1ポイント上昇)
- 電子マネー利用世帯の割合は63.5%で過去最高(前年比0.1ポイント上昇)
- 世帯主40歳代の世帯で利用割合が最も高い
- 月平均利用金額は過去最多を記録
- 世帯主40歳未満の世帯で最も高い増加率
4. 2024年の経済環境の特徴
- NISA新制度開始、マイナス金利政策終了、定額減税実施など政策変更
- 円安進行(一時1ドル160円台)、日経平均株価史上最高値更新(4万円突破)
- 最低賃金51円引上げ(全国平均1055円)、大企業賃上げ率5.58%と過去最高
- 新紙幣発行、パリ五輪開催、能登半島地震など社会的イベントも影響
記事は、デジタル化の進展と経済環境の変化により、ネットショッピングと電子マネーの利用が着実に拡大し、家計消費行動の構造変化が進んでいることを示しています。