令和7年給特法等改正案をめぐる国会論議：第217回国会の論議の焦点（2）

参議院事務局による令和7年給特法等改正案をめぐる国会論議の分析記事です。公立学校教師の給与制度を定める給特法（公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法）の改正により、教師の働き方改革と処遇改善を図る内容となっています。主要な改正点として、教職調整額の引き上げ、超過勤務手当の新設、部活動指導員制度の拡充、業務量削減策の法制化などが含まれています。国会では、教師の長時間労働の実態、適正な労働時間管理、給与水準の改善、教師不足の深刻化などが論議の中心となりました。特に、月80時間超の超過勤務が常態化している現状、部活動指導の負担、保護者対応や事務作業の増加、精神的負担の増大などの課題が指摘されています。また、教師の専門性向上、採用倍率の低下、早期離職の増加、教育の質への影響なども重要な検討事項となっています。教師が本来の教育活動に専念できる環境を整備し、魅力ある職業として教師職を再構築することが急務となっています。