Bima Vistaar保険商品の概要
インドで農村部の人々向けの生命、健康、財産をカバーする包括的保険商品「ビマ・ビスタール(Bima Vistaar)」が2025年12月までに発売される予定だ。同商品はインド保険規制開発局(IRDAI)が主導する包括的な保険商品で、農村部住民の保険アクセス向上を目指している。
商品の特徴:
- 補償内容: 生命保険、傷害保険、財産保険、入院保険を統合
- 補償額: 1人あたり50万ルピア(約85万円、1ルピア=約1.7円)
- 参加企業: 全26社の生命保険会社(LICを含む)
生命保険協議会(IAC-Life)のカムレシュ・ラオ委員長は「インドの農村部を対象としたこの商品は、すべての保険会社が1人あたり50万ルピアを補償する」と述べた。
Bima Trinity戦略の3本柱
IRDAIは2025年2月に「ビマ・トリニティー(Bima Trinity)」という国家的な保険普及戦略を発表。これはインド政府が掲げる「インシュランス・フォー・オール(Insurance for all by 2047)」の目標達成に向けた3本柱から構成されている。
1. Bima Sugam(ビマ・スガム)
統合デジタルプラットフォーム:
- 2024年6月に展開開始
- 生命保険、損害保険など全保険分野に対応
- 保険契約の比較、購入、更新、サービス提供、保険金請求を一括処理
2. Bima Vistaar(ビマ・ビスタール)
包括的保険商品:
- 生命保険、傷害保険、財産保険、入院保険を統合
- 複数の保険を個別契約する煩雑さを解消
- 低所得層にも手頃な価格で保障を提供
3. Bima Vahak(ビマ・バハーク)
地域密着型販売ネットワーク:
- 2025年4月から段階的導入開始
- 女性を中心とした地域密着型の保険販売網
- 農村部で女性が保険案内人となり以下のサービスを提供:
- 保険教育
- 加入支援
- 請求手続きのサポート
政策的意義と展望
この戦略は、インドの農村部における保険普及率の低さと保険に対する認知度不足という課題に対する総合的なアプローチとして位置づけられている。デジタル化による効率化、包括的商品による利便性向上、地域密着型販売による啓発活動を組み合わせることで、2047年までの全国民保険加入という野心的な目標の実現を目指している。