コロナ禍を経た結婚式場業の動向について、各種統計データから現状と今後の展望を分析したものです。
主要なポイント
1. 結婚式場業の活動状況
- 第3次産業活動指数の結婚式場業指数は2013年以降長期的に減少傾向
- 2020年に新型コロナウイルスの影響で大幅に落ち込む
- その後回復傾向にあるもコロナ前の水準には戻りきっていない
- 2022年以降は売上高がコロナ前の約8割の水準で横ばい推移
2. 売上高の構造変化
- 取扱件数はコロナ前から減少傾向が継続
- 食材費や光熱費などの物価高の影響で取扱単価が上昇
- 招待客を絞り一人当たりの料理の質を上げる傾向
- 単価上昇により売上高は前年比で横ばいを維持
3. 婚姻件数・婚姻率の推移
- 2019年の「令和婚」ブームで一時的に増加
- 2022年はコロナ禍の反動で増加
- 長期的には婚姻件数・婚姻率(人口千人に対する婚姻件数)ともに減少傾向が継続
- 少子化、未婚化、晩婚化が進行
4. 季節別の結婚式需要
- 10月・11月が最も人気(気候が穏やか、「いい夫婦の日」、祝日が多い)
- 8月はお盆・夏休み、1月はお正月で取扱件数が少ない
- 6月のジューンブライドは日本では梅雨時期のため人気が低い
- 2015年から2024年までの月別平均データに基づく分析
5. 結婚式の新たな形態
- 入籍しても結婚式を挙げない「ナシ婚」が増加
- 親族や親しい友人のみでの少人数結婚式
- レストランウェディングやフォトウェディングで済ませる「地味婚」が選択される
- 個人の希望に合わせた多様なプランやオンライン活用の新形態が拡大の可能性
記事は、結婚式場業がコロナ禍の苦境から回復傾向にあるものの、市場縮小が見込まれる中で新たな結婚式の形態がさらに拡大する可能性があると結論づけています。