企業価値向上に向けた海外資本活用の重要性と成功のポイントについて解説したものです。
主要なポイント
1. 海外資本活用の拡大状況
- 日本企業による海外資本活用は10年前と比較して件数は約3倍、金額は約5倍に拡大
- 外国企業との協業連携は過去10年で最高水準
- 海外事業会社や海外PEファンドからの出資受入れが経営戦略として広まる
- 企業価値向上や海外成長市場進出の選択肢として認識が拡大
2. 海外資本活用が必要な背景
- 市場環境の変化スピードが加速し、自社経営資源だけでの対応が困難
- 持続的な事業成長実現には過度な自前主義からの脱却が必要
- 国内だけでなく海外活力の取り込みの重要性が増大
- グローバル競争における企業価値向上の必要性
3. 海外資本活用のメリット・デメリット
- メリット：優れた経営ノウハウ、技術、ビジネスモデルの取り込み
- 経営・財務管理の高度化の実現
- グローバルネットワークを活用した海外販路の拡大
- デメリット：事業合理化、意図しない技術流出への留意が必要
4. 成功のための5つの基本的行動
- 経営者層が海外資本活用を検討する際に取るべきアクションを整理
- マッチングや交渉に入る前に戦略を明確化することが重要
- 出資受入れ後の対話の継続も重要なポイント
- 海外資本活用の有効性を高めるプロセスを5段階に分類
5. 政府による支援施策
- 経済産業省が「企業価値向上に向けた海外資本活用ガイドブック」を公表
- 海外資本活用の基礎知識と経営者層に期待される行動を具体的事例とともに掲載
- J-BRIDGE（連携・協業のためのビジネスプラットフォーム）の提供
- 投資促進課による継続的な支援体制
記事は、海外資本活用が単なる資金調達手段ではなく、企業価値向上と国際競争力強化のための戦略的ツールとして活用すべきであると結論づけています。