障害児支援における人材育成に関する検討会報告書(案)について、令和9年度以降の本格実施を見据えた研修体系の構築に向けた具体的な方向性を示したものです。
こども家庭庁では、令和5年3月の「障害児通所支援に関する検討会」報告書で人材育成の体系的な研修が急務とされたことを受け、全国どの地域でも質の高い障害児支援が提供できるよう、検討会(全4回開催)と実務者作業チーム(全4回開催)を設置し検討を重ねました。この背景には、平成24年の児童福祉法改正により障害児通所支援の事業所数と利用者数が飛躍的に増加する一方で、適切な運営や支援の質の確保が課題となっていることがあります。
研修体系は3階層で構成され、「障害児支援基礎・実践研修(仮称)」は障害児支援に従事し始めた段階から主に3年目程度の職員が対象で、さらに(Ⅰ)初任者向けと(Ⅱ)1年目から3年目程度に分かれます。「障害児支援リーダー研修(仮称)」は事業所において主にリーダー職や管理職等の中心的役割を担う者が対象で、「障害児支援コア人材研修(仮称)」は主に地域においてスーパーバイズを担う等、地域の中心的役割を担う者が対象となっています。
研修内容は6つのカテゴリーで構成されており、「①障害児支援に従事する支援者として」「②本人支援」「③家族支援」「④地域支援・地域連携」「⑤制度理解」「⑥組織マネジメント」の観点から、障害児支援と子育て支援の両方の専門性を身につけることを目指しています。特に重要な共通要素として、「対人支援における倫理的姿勢」「自己理解と省察」「こどもの理解に基づく支援」「計画と評価に基づく支援の実践」など9つの要素が整理されています。
実施に向けては、都道府県及び指定都市が主体となって研修を実施し、国は標準カリキュラムの策定や研修実施状況の公表による透明性確保を担います。令和9年度以降の本格実施では、全ての研修を同時期に開始するのではなく段階的に進めることが適当とされ、事業所の規模や人員体制に関わらず、安心して研修に取り組める体制整備が重要とされています。
記事は、全国共通の枠組みとして障害児支援における研修体系を構築し、支援者の専門性向上を通じて質の高い障害児支援の全国展開を実現すると結論づけています。 EOF < /dev/null