林野庁森林整備部が我が国の再造林の現状と課題、推進に向けた取り組みについて包括的に説明した政策情報ページです。
我が国の森林面積は国土の3分の2を占め、このうち4割が人工林となっています。現在、この人工林のうち6割が本格的な利用期を迎えており、将来にわたる公益的機能の持続的な発揮や資源の循環利用のため、主伐後の再造林を確実に実施することが重要とされています。しかし、人工林資源が本格的な利用期を迎えている一方、造林面積は3万ha程度で推移しており、再造林が進んでいない状況にあります。
主伐後の再造林が進まない要因として、木材価格の低迷や造林費用の負担が大きいことによる所有者の経営意欲の減退、育林従事者数の減少などが挙げられています。特に立木販売収入と造林初期費用の収支バランスが悪化しており、造林費用が販売収入を大幅に上回る状況が続いています。また、年齢別育林従事者数の推移では高齢化が顕著で、60歳以上が全体の約70%を占める一方、40歳未満は10%未満にとどまっています。
再造林を進めるためには、木材販売収入の増加と造林費用の縮減による収支の転換が重要であり、造林費用の縮減に向けて造林作業の省力化や低コスト化を図る必要があります。具体的には、地ごしらえ、植栽、下刈り、間伐といった造林作業の各段階で省力・低コスト化技術の導入が求められています。
取り組み状況として、令和6年度には「再造林をめぐる状況」「再造林の実態及び課題整理等に関する調査」の最新報告書が公表されています。また、現場での取り組み事例として、令和4年11月版と令和7年5月版の事例集が提供されており、各地域で独自に進められている省力化・低コスト化技術や推進に向けた取り組みが具体的に紹介されています。
さらに、伐採と造林の一貫作業システム、低密度植栽、早生樹利用など、造林の省力化・低コスト化技術について、詳細な調査報告書やパンフレットなどの資料が整備されており、森林整備を効率的・効果的に進めるための情報基盤が構築されています。
記事は、林業を持続的な産業へと発展させ、伐採後の再造林を確保していくために、技術革新と政策支援の両面から包括的なアプローチが必要であることを示していると結論づけています。