オーストラリアで8月26日、勤務時間外に雇用主からの連絡を拒否する権利(断連の権利)が法的に施行された。2024年2月に議会で可決された法改正により、通常の勤務時間外に雇用主から電話、メール、メッセージを受けても、合理的でない限り応答を拒否できるようになった。
この権利は当初は従業員15人以上の企業で適用され、小規模企業は2026年8月26日から適用となる。合理性の判断基準には、連絡の理由、業務の中断度合い、従業員への報酬の有無、連絡方法などが含まれる。緊急事態への対応やオンコール手当を受けている場合は例外となる可能性がある。
違反した雇用主には最大93,900豪ドル、従業員には最大18,780豪ドルの罰金が科される可能性がある。ただし、フェアワーク委員会への申し立てと命令発出後も従わない場合に限られる。
労働組合は長時間労働文化の改善と期待する一方、経営者団体は生産性への影響を懸念している。フランス、ドイツ、イタリア、スペインなど欧州諸国では既に同様の権利が導入されており、オーストラリアは先進国の中では後発となる。この法律により、ワークライフバランスの改善と労働者の精神的健康の向上が期待されている。