福井県金融経済クォータリー(2025年夏)
要約
福井県の景気は、緩やかに回復している。
最終需要をみると、個人消費は、物価上昇の影響などがみられるものの、緩やかな増加基調にある。設備投資は、緩やかな増加基調にある。住宅投資は、減少している。公共投資は、下げ止まっている。
生産は、持ち直しに向けた動きが続いている。業種別にみると、その他の工業(眼鏡枠および部品)は、緩やかに増加している。繊維は、緩やかに持ち直しつつある。電子部品・デバイス、化学は、横ばい圏内の動きとなっている。
雇用・所得環境は、緩やかに改善している。
消費者物価(除く生鮮食品)は、上昇している。
企業倒産は、件数は前年並みとなり、負債総額は前年を上回った。
金融面をみると、預金は、公金および法人の増加から、前年を上回っている。貸出は、前年を下回っている。
今後の見通し
福井県の景気は、海外経済の回復ペースの鈍化や物価上昇の影響を受けつつも、緩やかな回復を続けるとみられる。個人消費は、賃金の上昇を背景に、物価上昇の影響を受けながらも底堅く推移すると予想される。設備投資は、企業収益の改善や人手不足対応のための省力化投資などから、増加基調を維持すると見込まれる。生産は、海外需要の動向に左右されながらも、持ち直しの動きが続くと予想される。