2024年の日中貿易は、総額3,235億7,468万ドルと3年連続で減少した。日本の対中輸出は前年比2.7％減の1,564億5,525万ドルとなり、主要な品目で大きな変動が見られた。
最も顕著な変化は電気機器分野で、特に集積回路の輸出が6.7％減少し、輸出全体に大きな影響を与えた。半導体製造装置は逆に24.9％増加し、中国市場での需要が堅調であることを示した。自動車関連では、乗用車輸出が4.6％減少し、電気自動車とプラグインハイブリッド車の輸出が大幅に落ち込んだ。
医療用品と医薬品の輸出は28.7％増加した一方、化粧品類は26.7％減少し、2021年のピーク時と比較して約半減した。産業用ロボットの輸出は18.9％減少し、中国の国内生産能力の向上を反映している。プラスチック製品は4.8％増加するなど、品目によって異なる傾向が見られた。
貿易収支は10億6,642万ドルの赤字で、2022年以降3年連続の赤字となった。中国の自動車市場では、中国ブランドのシェアが65.2％に達し、日系メーカーのシェアは11.2％まで低下した。総じて、2024年の日中貿易は、半導体、自動車、電子機器分野で大きな構造変化を示しており、今後の二国間経済関係の方向性を占う重要な指標となっている。