日本銀行が公表した2025年第1四半期(3月末現在)の資金循環統計日米欧比較について、各国の金融機関の金融資産・負債構成を詳細に分析したものです。
日本の金融機関資産構成
日本の金融機関の金融資産総額は4,433兆円に達し、預金取扱機関が2,382兆円(53.7%)、その他の金融機関が1,370兆円(30.9%)、保険・年金基金が681兆円(15.4%)の構成となっています。資産構成では貸出が22%を占め最大となっており、現金・預金が15%、債務証券が6%、株式等が1%となっています。預金取扱機関の特徴として、貸出に重点を置いた運用構造が明確に表れています。
米国の金融機関資産構成
米国の金融機関の金融資産総額は139.1兆ドルで、その他の金融機関が69.1兆ドル(49.7%)と最大のシェアを占め、保険・年金基金が41.6兆ドル(29.9%)、預金取扱機関が28.4兆ドル(20.4%)となっています。資産構成では株式等が20%と最も高く、貸出が15%、債務証券が10%、投資信託が5%の順となっており、日本と比較して株式投資の比重が顕著に高い構造となっています。
ユーロエリアの金融機関資産構成
ユーロエリアの金融機関の金融資産総額は93.4兆ユーロで、その他の金融機関が44.0兆ユーロ(47.1%)、預金取扱機関が37.4兆ユーロ(40.0%)、保険・年金基金が12.1兆ユーロ(13.0%)の構成です。資産構成では株式等が22%と高い比率を示し、貸出が17%、現金・預金が13%、債務証券が8%となっており、米国と同様に株式投資への傾斜が強い特徴があります。
各国比較の特徴
負債面では、日本の金融機関負債総額は4,447兆円となっており、現金・預金が39%と最大の構成要素となっています。日米欧の比較により、日本は貸出中心の伝統的な銀行業務構造を維持している一方、米国とユーロエリアでは資本市場型の金融システムへの移行が進んでいることが数値で明確に示されています。
記事は、資金循環統計により各国の金融システムの構造的違いと、日本の金融機関が貸出中心の業務構造を維持しながら、欧米では株式・証券投資の比重が高まっている対照的な発展パターンが定量的に把握できることを示しています。