農林水産省が東京都中央卸売市場に出荷される野菜について、主産地等からの聞き取りに基づく令和7年8月の生育状況及び価格見通しを公表したものです。
令和7年8月は、全国的な高温・干ばつの影響により、野菜の価格動向に明暗が分かれる状況となっています。きゅうり、トマト、ピーマンなどは生育不良により出荷数量がやや平年を下回り、価格がやや平年を上回って推移する見込みです。一方、はくさい（長野96%）、キャベツ前半（群馬77%）、レタス前半（長野86%）は、適度な降雨により生育が順調で、価格は平年を下回って推移する見込みです。
品目別では、だいこんとにんじんが北海道・青森の高温・干ばつ影響で価格がやや上昇、ほうれんそうが群馬・栃木の生育不良により価格上昇が予想されています。トマトは北海道25%、福島18%、群馬14%、青森12%の主産地で高温の影響により出荷数量が平年を下回る見込みです。ばれいしょは北海道92%の出荷で、高温・干ばつにより小玉傾向となり、8月後半には価格がやや上昇する見通しです。
平年並みで推移する品目は、ねぎ、さといも、たまねぎで、これらは主産地での生育が概ね順調または在庫が充実していることが要因です。本調査は平成23年より実施されており、産地の出荷判断と消費者の購買行動の最適化を促し、野菜の供給・価格安定に寄与することを目的としています。
記事は、令和7年8月の野菜市場が高温・干ばつの気象条件により品目間で価格動向に大きな差が生じ、葉菜類の一部で価格下落、果菜類で価格上昇という二極化した構造を示していることを具体的な数値とともに明らかにしています。