日本政策金融公庫農林水産事業が発行する情報誌「AFCフォーラム」の2025年夏1号について公表したものです。
今号は「食品再生で育む循環社会」を特集テーマとし、循環型社会の形成に向けた食品製造副産物や残渣類の再生利用、特に政府が最優先するエコフィードなど飼料化を通じた食品事業者と農業者の連携深化について詳細に解説しています。特集では、龍谷大学農学部の淡路和則教授による「消費者の信頼生むエコフィードを追求」、日本経済新聞社編集委員の吉田忠則氏による「食品リサイクル飼料に必要な質の向上」などの専門的な論考が掲載されています。
経営紹介では、食品廃棄物を活用した循環型農業の実践事例として、株式会社旭物産（茨城県）の野菜残渣の飼料・堆肥への再利用、株式会社比叡ゆば本舗ゆば八（滋賀県）のおからの地域内再利用による食品廃棄物ゼロ化、株式会社渥美フーズ（愛知県）の食品廃棄物を活用した循環型農業の拡大事例が紹介されています。
調査レポートでは、2025年1月実施の農業景況調査・食品産業動向調査の結果として、多くの業種でスマート農業の導入が進展し、食品事業者の農業参入が増加傾向にあることが報告されています。また、農林水産省食品ロス・リサイクル対策室長による食品リサイクルループ促進に向けた制度見直しやエコフィード認証制度の必要性についても論じられています。
記事は、食品廃棄物の再生利用を通じた循環型社会の形成が官民連携により着実に進展しており、技術革新と制度整備の両面から持続可能な農業・食品産業の発展が図られていることを包括的に示しています。