令和6年 全国一級河川の水質現況

この記事は、国土交通省が2025年7月4日に発表した令和6年(2024年)全国一級河川の水質現況に関する年次報告書について、日本の一級河川における水質調査結果と改善状況を詳細に報告するものです。

主要なポイント

水質調査の規模と環境基準達成状況

  • 全国109水系1,086地点(都道府県観測の16地点を含め1,102地点)で水質調査を実施
  • 年間総検体数は262,841検体に達する大規模な調査
  • 河川の環境基準(BOD)満足率は97%(前年比1ポイント上昇)
  • 湖沼の環境基準(COD)満足率は42%(前年比2ポイント低下)
  • 全体の環境基準満足率は91%(前年と同率)

BOD水質の著しい改善傾向

  • サケやアユが生息できる環境の目安となるBOD75%値3.0mg/ℓ以下の地点が全調査地点の約97%を占める
  • BOD75%値1.0mg/ℓ以下の地点が62.1%、1.1~2.0mg/ℓの地点が29.5%と良好な水質が大部分
  • 昭和46年当時は全調査地点の27%でBOD平均値が5.0mg/ℓを超えていたが、現在は大幅に改善
  • 健康項目の環境基準を満足した地点の割合は99.7%(年平均値)

都市河川における水質の顕著な改善事例

  • 多摩川(田園調布堰上):BOD75%値1.5mg/ℓ(昭和40年代は洗剤の泡が浮く汚濁河川から改善)
  • 大和川(浅香新取水口):BOD75%値1.3mg/ℓ(昭和40年代のBOD30mg/ℓ超から大幅改善)
  • 鶴見川(大綱橋):BOD75%値3.6mg/ℓ
  • 綾瀬川(手代橋):BOD75%値3.8mg/ℓ
  • 大和川は現在サケやアユが生息できる水質レベルまで回復

健康項目の基準超過状況

  • 健康項目27項目の調査を全国860地点(延べ16,632地点)で実施、総調査検体数29,938検体
  • 年平均値で環境基準を超過した地点は3地点(砒素1地点、ほう素2地点、ふっ素1地点)
  • 超過原因は主に自然由来(砒素・ふっ素)および海水の影響(ほう素の一部)
  • 1検体でも超過した地点は8地点(延べ9地点)で、満足率は99.1%

継続的な水質改善への取り組み

  • 昭和44年から河川浄化事業を開始し、下水道整備、排水規制等により水質改善を推進
  • 平成9年の河川法改正により治水・利水・環境の総合的な河川整備を推進
  • 都市部の中・下流域や流入支川の一部では依然として高いBOD値を示す地点も存在
  • 湖沼については閉鎖性水域の特性により環境基準満足率が低く、継続的な改善施策が必要

記事は、半世紀以上にわたる水質改善の取り組みにより、日本の一級河川の水質が著しく改善され、ほぼ全ての河川で良好な水質が確保されていることを示しながらも、湖沼や都市河川の一部では引き続き水環境改善施策の実施が求められていることを強調しています。

※ この要約はAIによって自動生成されました。正確性については元記事をご参照ください。