この記事は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2024年度の業務概況書を公表し、2024年度の運用実績として収益率0.71%(年率)を達成したことを報告するものです。
主要なポイント
2024年度の運用実績
- 2024年度の収益率は0.71%(年率)、収益額は1兆7,334億円を記録
- 運用資産額は2024年度末時点で249兆7,821億円に達した
- 市場運用開始以降(2001年度〜2024年度)の累積収益率は年率3.99%となった
- 第4期中期目標期間(2020年度〜2024年度)の年率収益率は4.20%を達成
資産構成と配分状況
- 国内債券:24.05%(61兆6,186億円)、基本ポートフォリオの25%に対して-0.95%の乖離
- 国内株式:23.94%(61兆9,188億円)、基本ポートフォリオの25%に対して-1.06%の乖離
- 外国債券:24.37%(62兆7,302億円)、基本ポートフォリオの25%に対して-0.63%の乖離
- 外国株式:27.64%(71兆1,500億円)、基本ポートフォリオの25%に対して+2.64%の乖離
市場環境と運用の特徴
- 2024年度は内外債券の金利が上昇し、株価の変動が大きい市場環境であった
- 株価指数先物や債券先物を活用して、きめ細やかなリバランスを実施
- 国内株式市場は下落、外国株式市場は上昇、わずかに円高となった
- 内外株式の増配などによる利息及び配当金収入(インカムゲイン)が4兆6,788億円
運用の高度化への取組み
- 複合ベンチマーク収益率に対する超過収益率は、2024年度は0.09%となった
- 第4期中期目標期間の累積超過収益率は0.43%を達成
- 株式アクティブファンドの安定的な運用、外国株式レンディングの再開を実施
- ESG指数投資において政策ベンチマークと親指数の差を管理・抑制するパッシブファンドを導入
新たな投資方針の策定
- 2025年度からの第5期中期目標期間に向けた新しい基本ポートフォリオを策定
- 「アセットオーナー・プリンシプル」を受け入れ、取組方針を策定(2024年9月)
- 「サステナビリティ投資方針」を策定し、ESGやインパクトを考慮した投資の基本的な考え方を示した(2025年3月)
記事は、GPIFが長期的な観点に立った安定的な運用を継続し、年金財政の安定に貢献していることを示しており、運用の高度化・多様化を進めながら基本ポートフォリオに基づく着実な運用を行っていることを強調しています。