国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)(令和6(2024)年推計)」について、具体的な推計結果と将来の世帯構造変化を解説したものです。
主要なポイント
1. 一般世帯総数の将来推計
- 全国の一般世帯総数は令和12(2030)年をピークに減少に転じる
- 令和32(2050)年には令和2(2020)年比で5.6%減少
- 40道府県で世帯数が減少し、うち28道県は10%超の減少
- 秋田県では29.1%減少するなど、9県で20%以上の大幅減少
- 東京都など7都県は増加するが、いずれも推計期間中にピーク後減少
2. 平均世帯人員の縮小傾向
- 令和2(2020)年:1.92人(東京都)~2.61人(山形県)
- 令和32(2050)年:1.78人(東京都・北海道)~2.15人(山形県)
- 令和22(2040)年には26都道府県で2人を下回る
- 令和32(2050)年には34都道府県で2人未満に
- 2人以上を維持するのは山形県、福井県、佐賀県など13県のみ
3. 単独世帯の急増と地域差
- 全国の単独世帯は令和32(2050)年に2,330万世帯(令和2年比10.2%増)
- 沖縄県31.0%増、埼玉県24.1%増、滋賀県23.3%増、千葉県22.0%増
- 一方、高知県15.3%減、秋田県12.4%減、青森県12.2%減など15道県で減少
- 単独世帯割合は全国で38.0%(2020年)から44.3%(2050年)へ上昇
- 東京都では50.2%(2020年)から54.1%(2050年)と過半数が単独世帯に
4. 夫婦のみ世帯と子どもを含む世帯の減少
- 夫婦のみ世帯:全国で11.2%減少、45道府県で減少
- 秋田県31.7%減、高知県31.0%減、鹿児島県30.6%減と大幅減少
- 夫婦と子から成る世帯:全国で19.3%減少、全都道府県で減少
- 青森県38.6%減、秋田県37.6%減、長崎県35.9%減
- ひとり親と子世帯:全国で3.5%減少、40道府県で減少
5. 施設等世帯人員の地域格差拡大
- 令和2(2020)年:東京都1.5%(最低)~長崎県4.0%(最高)
- 令和32(2050)年:東京都2.1%(最低)~青森県6.6%(最高)
- 大都市圏で低く、東北・九州・四国地方で高い傾向
- 北海道、青森県、秋田県など8県で2ポイント以上の大幅上昇
- 高齢化の進展に伴う施設入所者の増加を反映
記事は、日本の世帯構造が単独世帯中心へと大きく変化し、地域によって世帯数減少や高齢化の影響に大きな差が生じることを具体的な数値で示しています。