本レポートは、令和7年産水田における作付意向の第3回中間取組状況について、農林水産省が2025年6月末時点で取りまとめた調査結果を示している。
主食用米の作付面積は136.3万ヘクタール（前年比＋10.4万ヘクタール）と全国的に大幅増加を見込んでおり、平年単収で計算すると生産量は735万トン（前年比56万トン増）に達する見通しである。これは過去5年間で最大の生産量となり、平成16年の調査開始以降で最大の増加幅となっている。
一方、戦略作物については軒並み作付面積の減少が見込まれている。特に飼料用米は4.9万ヘクタール（前年比▲4.9万ヘクタール）と半減、大豆は7.6万ヘクタール（前年比▲0.9万ヘクタール）、麦は9.6万ヘクタール（前年比▲0.7万ヘクタール）、WCS用稲は5.0万ヘクタール（前年比▲0.7万ヘクタール）などとなっている。加工用米、新市場開拓用米（輸出用米等）、米粉用米も減少傾向にある。
この調査結果は、主食用米への作付け転換が顕著に進んでいることを示している。背景には米価の回復や需要動向の変化があると考えられるが、戦略作物の大幅減少は食料安全保障や飼料自給率の観点から注視が必要である。なお、8月20日までに生産者から地域農業再生協議会への取組計画書の修正提出が可能なため、今後も作付意向は変動する可能性がある。