本レポートは、国土交通省が実施した令和6年度住宅市場動向調査の結果について、新たに追加された調査項目を中心に分析結果を示している。
住宅購入資金の平均値は注文住宅が6188万円で最も高く、次いで分譲集合住宅が4679万円となっている。中央値でも注文住宅が5030万円、分譲集合住宅が4500万円と同様の傾向を示している。今回新たに調査された「住宅取得時に購入した耐久消費財の合計金額」については、平均値で注文住宅が159万円、分譲戸建住宅が152万円と高額になっており、中央値では両者とも100万円となっている。
住宅ローン減税適用の住宅区分では、認定長期優良住宅が注文住宅の57.3％、分譲戸建住宅の36.3％を占めている。ZEH水準省エネ住宅は分譲集合住宅で18.2％、注文住宅で15.2％となっている。世帯構成では、分譲戸建住宅の65.2％、注文住宅の51.0％が子育て世帯であり、既存集合住宅と民間賃貸住宅ではそれぞれ12.3％が若者夫婦世帯となっている。
これらの結果は、住宅取得に伴う総合的な経済負担が増大していることを示すとともに、省エネ性能の高い住宅への需要が高まっていることを反映している。特に子育て世帯の戸建住宅志向と、住宅取得に伴う耐久消費財購入による経済波及効果の大きさが注目される。