米国初の自動運転車免除制度適用事例
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は8月6日、アマゾン傘下の自動運転タクシー開発企業ズークス(Zoox)に対し、従来の運転装置を持たない自動運転車の公道試験を認める免除措置を付与した。これは4月に発表された自動運転車免除制度(AVEP)に基づく米国製車両への初の適用事例となる。
従来制度の課題と制度変更の意義
従来は輸入車のみが免除対象であり、米国企業には不利な状況にあった。制度変更により連邦自動車安全基準(FMVSS)に適合しない車両でも、より簡易かつ迅速な免除手続きを経て米国内の公道で運行できるようになった。この措置により、ハンドルやペダルを持たない自動運転車がFMVSSに適合するかの論争に終止符が打たれた。
ズークスの開発経緯と現状
ズークスは2022年7月に自主認証を発表したが、NHTSAは難色を示し、2023年3月に手続きやデータを精査する調査を開始していた。その後、同社は専用設計車両でカリフォルニア州フォスターシティの本社近郊で公道試験を開始し、ラスベガス、サンフランシスコへ試験エリアを拡大した。今回の免除により、NHTSAはズークスの自主認証に関する調査を終了した。
商業化への取り組み
同社は6月にサンフランシスコ・ベイエリアに年間1万台の生産を目指す自動運転車製造施設を開設し、商業サービス展開への道筋を明確化した。現時点では商業サービスは開始していないが、サンフランシスコ、ラスベガス、シカゴ、オースティン、マイアミでテスト走行を実施している。2025年1月にはラスベガスで開催されたCES2025で一般向け早期乗車体験プログラムを実施した。