「スポットワーク」の労務管理(使用者向けリーフレット)
本記事は、厚生労働省が事業主向けに作成した、スポットワーク(短時間・単発の就労)を利用する際の労務管理上の注意点をまとめたリーフレットに関するものです。
主要なポイント
労働契約締結時の注意事項
- スポットワークでは事業主とスポットワーカーが直接労働契約を締結し、労働基準法等を守る義務は事業主に生じる
- アプリを用いた求人で面接等を経ない先着順の場合、応募時点で労働契約が成立すると一般的に考えられる
- 労働契約成立後の解約(キャンセル)については、合理的な事由と労使対等の原則を踏まえた内容にする必要がある
- 労働条件通知書の交付は事業主の義務であり、仲介事業者が代行する場合も内容確認が必要
休業時の賃金支払い義務
- 労働契約成立後に事業主都合で休業させる場合は、労働基準法第26条により休業手当の支払いが必要
- 丸1日の休業または早上がりの場合、所定支払日までに休業手当を支払わなければならない
- 休業手当の代わりに約束した賃金を全額支払うことも可能
- 事業主の故意・過失による休業の場合は、民法第536条第2項により賃金全額の支払いが必要
労働時間と賃金に関する規定
- 指定制服への着替えや掃除等の準備・後始末時間も労働時間に該当する
- 事業主の指示による待機時間も労働時間として賃金支払いが必要
- 労働条件通知書で示した額を一方的に減額することは労働基準法違反となる
- 実際の労働時間が予定と異なる場合は、速やかに確認し労働時間を確定させる必要がある
その他の事業主責任
- スポットワーカーの労災保険は就労先の事業の保険関係に基づき給付される
- 労働安全衛生法に基づく雇入れ時教育等の労働災害防止対策が必要
- パワハラ・セクハラ等のハラスメント防止措置を講じる義務がある
- 相談窓口として労働基準監督署(賃金・労働時間)、総合労働相談コーナー(ハラスメント)が設置されている
記事は、スポットワーク利用が急増する中、事業主が労働基準法等の法令を遵守し、適切な労務管理を行うことで労働トラブルを防ぐことの重要性を強調しています。