この記事は、厚生労働省が「スポットワーク」(短時間・単発就労)における労働契約の成立時期、休業手当、賃金・労働時間などの留意事項を取りまとめたリーフレットを作成し、関係団体への周知を要請したことについて報告するものです。
主要なポイント
スポットワークの定義と対象範囲
- 短時間・単発の就労を内容とする雇用契約のもとで働くことと定義
- 雇用仲介事業者が提供するアプリを利用したマッチングや賃金立替払を行うものを対象
- 労働者と事業主が面接等を経ることなく短時間でマッチングすることが特徴
- 様々な形態が存在するが、本リーフレットではアプリ利用型に焦点を当てている
労働契約の成立時期に関する重要事項
- 労働契約成立をもって労働関係法令が適用されることを明確化
- 労使双方で成立時期の認識を共有した上で契約締結することが必要
- 面接等を経ない先着順の求人では、労働者が応募した時点で契約成立と考えられる
- 別途特段の合意がない限り、応募時点で労使双方の合意があったものと判断される
休業手当の支払い義務について
- 労働契約成立後の事業主都合による休業は労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当
- 丸1日の休業または仕事の早上がりをさせた場合は休業手当の支払いが必要
- 所定支払日までに労働者に対して休業手当を支払う義務がある
- 契約成立後のキャンセルや変更に対する法的責任を明確化
賃金・労働時間の確定に関する取り扱い
- 労働者から予定時間と異なる実労働時間の修正申請があった場合の対応を規定
- 賃金は労働者の生活の糧であることを踏まえた迅速な対応が必要
- 予定労働時間に基づく賃金は遅滞なく支払うことが求められる
- 実際の労働時間との差異については速やかに確認し、労働時間を確定させる必要がある
リーフレットの配布と要請内容
- 労働者向けリーフレット(PDF形式:9.2MB)と使用者向けリーフレット(PDF形式:10.3MB)を作成
- 一般社団法人スポットワーク協会に対し、会員を通じた周知を要請
- 経済団体に対する要請書(PDF形式:253KB)も発出
- 厚生労働省として今後も継続的に留意事項等の周知を図ることを表明
記事は、新しい働き方として広がるスポットワークにおいて、労働者保護の観点から重要な法的ルールを明確化し、適切な労働環境の確保を目指す厚生労働省の取り組みを示しています。