農林水産省が令和6年特用林産物生産統計調査結果を公表し、食用きのこ類の生産量が43万4,583トンで前年比0.3％減少した一方、たけのこが2万863トンで同26.2％増加、木炭が1万207トンで同8.7％減少したことを報告したものです。
食用きのこ類では、しいたけが8万7,234トン（前年比2.1％減）、えのきたけが12万8,945トン（同1.2％増）、ぶなしめじが10万2,678トン（同0.8％減）となりました。しいたけの減少は主産地である九州地方での天候不順と生産コストの上昇が影響しています。たけのこの大幅増加は、春季の気候条件が良好だったことと、新規栽培地での生産拡大が寄与しました。
木炭生産の減少は、高齢化による生産者の離脱と原木確保の困難化が主要因です。地域別生産状況では、きのこ類は長野県、新潟県、北海道が上位を占め、たけのこは鹿児島県、福岡県、京都府が主産地となっています。木炭は岩手県、高知県、宮崎県での生産が全体の約4割を占めています。
価格動向では、きのこ類の単価は前年比2.8％上昇し、需要の堅調さを反映しています。木炭は高品質品への需要集中により単価が5.4％上昇しました。一方、たけのこは豊作により単価が18.3％下落しています。
記事は、特用林産物の生産が気候変動や担い手不足などの課題を抱えながらも、品目によって明暗が分かれている状況を示しています。