2025年6月21日の米国によるイラン核施設攻撃「真夜中の鉄槌」作戦を題材に、軍事における革命(RMA)論の観点から現代の米軍の戦い方とその限界を分析したものです。
主要なポイント
1. 「真夜中の鉄槌」作戦の概要
- B-2爆撃機15機(攻撃7機、陽動8機)と護衛機等計125機を投入
- フォルドゥに12発、ナタンツに2発のGBU-57(大型貫通爆弾)使用
- イスファハンへはトマホーク巡航ミサイルを投下
- 攻撃効果の評価は不透明(数か月から数年の遅延と評価に幅)
2. RMA(軍事における革命)論の特徴
- 技術優位論:新興技術により敵に対する決定的優位を獲得
- 軍縮論的側面:質により量を相殺、短期決戦志向
- 空軍通常戦力による精密打撃への重点配分
- 1973年第四次中東戦争での精密誘導兵器の効果が議論の起点
3. RMA論への批判と現実による修正
- ウクライナ戦争の経験から長期戦・消耗戦への対応が必要と認識
- 安価で大量増産可能な能力の強化が求められる
- 中国・ロシアという強大な競争相手の出現で二正面作戦は事実上放棄
- エアパワーの有効性も相対化(敵戦力減殺が重要、斬首戦略の限界)
4. 今回の作戦が示す米軍の課題
- B-2爆撃機は全19機中15機を投入(運用可能機数の限界)
- GBU-57等の精密誘導兵器は高額で短期増産困難
- 中東4万人の米軍駐留により防空アセット拘置
- 中国のような能力拮抗国への適用可能性は疑問
5. 今後の戦略的含意
- 台湾有事では近接航空支援が優先、中国本土攻撃は核エスカレーションリスク
- 中国の分厚い防空網下での縦深目標攻撃の現実性に疑問
- 過去の成功体験に囚われた戦略への同盟国の懸念
- 多極化した世界への準備が米国に求められる
記事は、今回の作戦が高度ではあるものの、米軍が過去の戦争や成功体験に囚われており、中国やロシアがその分析から好機を見出す可能性があると警告しています。