しがぎん経済文化センターが発表した「滋賀県内企業動向調査結果 2025年4-6月期 特別項目:設備投資計画について~2025年度の設備投資計画、『実施済み/実施予定あり』は3割強」に関する調査レポートです。滋賀県内企業の設備投資動向を詳細に分析し、投資意欲の現状と今後の見通しを明らかにしています。
主要なポイント
1. 調査の概要
- 調査実施機関:しがぎん経済文化センター
- 調査期間:2025年5月7日~26日
- 調査対象:滋賀県内本社企業および進出企業995社
- 有効回答:348社(回答率35%)
- 製造業:156社
- 非製造業:192社
- 調査方法:郵送によるアンケート調査
2. 2024年度設備投資実績
- 実施率:74.5%(4社に3社が実施)
- 業種別実施率:
- 製造業:77.6%
- 非製造業:72.1%
- 投資規模:
- 1千万円未満:51.9%(最多)
- 1千万円~5千万円未満:26.9%
- 5千万円~1億円未満:7.7%
- 1億円以上:13.5%
- 特徴:高い実施率が示す堅調な投資意欲
3. 2025年度設備投資計画(調査の核心)
- 実施済み/実施予定あり:31.3%(約3割強)
- 実施を検討中:21.6%
- 実施予定なし:25.3%
- わからない:21.8%
- 分析:
- 実施確定企業は3割にとどまる
- 検討中を含めると5割超の潜在需要
- 不透明感から様子見姿勢も根強い
4. 設備投資の目的(複数回答)
- 設備の維持補修・更新:63.9%(最重要目的)
- 省力化・合理化:30.0%
- 情報化・DX推進:27.8%
- 増産・販売力増強:25.0%
- 脱炭素・環境対策:18.9%
- 事業所・店舗等の増築・拡大:16.7%
- 新分野進出:8.9%
- 傾向分析:
- 守りの投資(維持更新)が中心
- 人手不足対応(省力化)が急務
- DX投資も着実に浸透
5. 業種別投資目的の特徴
製造業の特徴
- 省力化・合理化:40.4%(非製造業の22.0%を大きく上回る)
- 増産・販売力増強:30.8%
- 脱炭素・環境対策:26.9%
- 生産性向上への強い意識
非製造業の特徴
- 事務所・店舗等の増築・拡大:28.6%(製造業の1.9%を大きく上回る)
- 情報化・DX推進:33.0%
- サービス業特有のニーズが反映
6. 資金調達方法(複数回答)
- 自己資金:78.3%(圧倒的多数)
- 金融機関からの借り入れ:41.7%
- 補助金・助成金:31.1%
- リース:20.0%
- 親会社・グループ会社からの借り入れ:3.3%
- 分析:
- 財務健全性を重視する姿勢
- 補助金活用への関心も高い
- 借入依存度は比較的低い
7. 設備投資を実施しない理由(複数回答)
- 現状で設備は適正水準:58.1%
- 先行きが見通せない:44.2%
- 投資に見合う収益を確保できない:20.9%
- 人手不足で設備を使いこなせない:17.4%
- 資金調達が困難:7.0%
- 示唆:
- 経営環境の不確実性が投資を抑制
- 人材面の制約も無視できない要因
8. 規模別の投資動向
- 従業員規模と投資実施率の相関:
- 20人以下:62.1%
- 21~50人:74.1%
- 51~100人:79.7%
- 101~300人:88.9%
- 301人以上:100%
- 特徴:規模が大きいほど投資余力あり
9. 今後の設備投資方針
- 現状と同程度を維持:62.8%(大半)
- 設備投資を拡大:16.4%
- 製造業:19.0%
- 非製造業:14.4%
- 設備投資を抑制:20.8%
- 展望:慎重ながらも前向きな姿勢
10. 総括と今後の展望
本調査は、滋賀県内企業の設備投資が「守り」を中心としながらも、省力化やDX推進など将来を見据えた投資も着実に進んでいることを示しています。2025年度の投資計画で「実施済み/実施予定あり」が3割強にとどまることは、経営環境の不確実性を反映していますが、検討中を含めると過半数に達することから、条件が整えば投資が活発化する可能性があります。
特に注目すべきは、人手不足対応としての省力化投資の高まりと、DX投資の広がりです。これらは単なるコスト削減ではなく、持続可能な経営基盤構築への取り組みとして評価できます。今後は、政府の投資促進策や補助金制度の活用により、「検討中」企業の背中を押すことが地域経済活性化の鍵となるでしょう。