CBREが毎年実施している不動産融資を提供する企業を対象としたアンケート調査「レンダーサーベイ」の2025年版で、2024年度の融資実績と2025年度の見通しについて、日本の不動産融資市場の動向を分析したものです。
主要なポイント
1. 調査概要
- 2025年4月~5月に実施
- 不動産融資を提供する金融機関を対象
- 2024年度(2024年4月~2025年3月)の融資実績と2025年度の見通しを調査
- 米国の通商政策を取り巻く不透明感が高い時期に実施されたが、融資姿勢に大きな変化は見られず
2. 2024年度の融資実績
- シニアレンダー:新規取得向け融資が100%と回答した割合が32%(前年度25%から増加)
- メザニンレンダー:新規取得向け100%の回答は45%(前年度50%から低下するも依然高水準)
- 融資条件:
- シニアレンダーの要求スプレッドは安定的に推移
- メザニンレンダーのスプレッドは上昇傾向
- 選好アセット:賃貸マンションが昨年に引き続きトップ
3. 2025年度の見通し
- シニアレンダー:
- 50%が融資額は前年度から「増加する」と予想
- 残り50%が「変わらない」と回答
- メザニンレンダー:
- 増加を見込む割合は35%(前回60%から低下)
- スプレッドの見通し:
- シニア・メザニンともに「上昇する」の回答割合が前回調査から増加
- ただし上昇幅は25bps未満に留まるとの見方が優勢
4. リスク要因
- 金利上昇:最大のリスク要因として6割が回答(昨年8割から低下)
- 景気後退懸念:昨年から回答割合が増加
- 金利見通し:レンダーは2025年度中に1~2回の追加利上げを想定
- 緩やかな金利上昇の継続が融資の前提
5. 市場環境の特徴
- 金融機関の融資姿勢に特段大きな変化なし
- 緩和的な融資環境が継続
- 不確実性が高まる中でも融資環境は良好
- 新規物件取得向け融資が活発
6. 今後の展望
- 融資額の増加または現状維持が見込まれる
- スプレッドの上昇は限定的
- 賃貸マンションへの選好が継続
- 金利上昇リスクは意識されるも、影響は限定的との見方
本レポートは、日本の不動産融資市場が、グローバルな不確実性にもかかわらず、比較的安定した環境を維持していることを示しています。