この記事は、労働政策研究・研修機構による第8回勤労生活調査の結果から、日本の労働者の価値観変化を分析したものです。
主要なポイント
1. 日本型雇用慣行への評価
- 終身雇用支持:82.1%(依然高水準も前回比▲5.8ポイント)
- 年功賃金支持:65.3%(若年層では45%に低下)
- 企業内組合支持:58.2%(組織率低下を反映)
- 新卒一括採用:支持73%も通年採用容認が増加
2. キャリア形成意識の変化
- 一社勤続希望:45.2%(過去最低、20代は25%)
- 転職肯定:54.8%(初めて過半数超え)
- スキル重視:専門性向上を85%が重要視
- 副業希望:35.6%(30代では48%)
3. 働き方の理想と現実
- ワークライフバランス重視:78.5%(過去最高)
- テレワーク希望:65.3%(実施は25%でギャップ)
- 労働時間短縮:週35時間希望が45%
- 有給取得:希望90%、実際55%
4. 平等意識と格差認識
- 結果平等支持:38.2%(機会平等61.8%)
- 所得格差拡大:85%が認識、是正必要75%
- 非正規格差:不当と感じる68%
- 男女格差:改善必要82%(男性でも73%)
5. 社会システムへの期待
- 社会保障充実:78%が増税受入れ(条件付き)
- 教育機会:無償化支持85%、奨学金改革要望
- 最低賃金:1500円以上を65%が支持
- ベーシックインカム:認知度45%、支持25%
記事は、日本の労働者の意識が確実に変化しており、従来型の雇用システムと働き方改革のさらなる推進が必要と結論づけています。