金融安定理事会(FSB)が公表した「ノンバンク金融仲介(NBFI)の強靱性向上:進捗報告書」について報告したものです。
金融安定理事会(FSB)は、2025年7月16日にノンバンク金融仲介(NBFI)セクターの強靱性向上に向けた取り組みの進捗状況をまとめた報告書を公表しました。NBFIは、銀行以外の金融機関や金融活動を指し、資産運用会社、保険会社、年金基金、ファンドなどを含み、現在ではグローバル金融システムの約半分を占めるまでに成長しています。
本報告書は、FSBが2020年11月に策定した「NBFI作業プログラム」の実施状況を包括的にレビューしたものです。この作業プログラムは、2020年3月のコロナ危機時に明らかになったNBFIの脆弱性に対処するために策定されました。
報告書の主要な進捗状況として、マネー・マーケット・ファンド(MMF)の強靱性向上のための政策提言の実施、オープンエンド型ファンドの流動性リスク管理の改善、証券金融取引の監視強化、中央清算機関(CCP)のリスク管理強化などが挙げられています。また、各国がそれぞれの国内フレームワークにおいて、NBFIの監督・規制を強化していることも報告されています。
しかし、報告書は同時に、まだ多くの課題が残されていることも指摘しています。特に、クロスボーダーでのリスク、デジタル資産の台頭に伴う新たなリスク、非銀行金融サービスプロバイダーのリスクなど、新たに出現しつつある課題への対応が必要であることを強調しています。
FSBは今後も継続してNBFIセクターの監視を行い、必要に応じて追加的な政策措置を検討するとしています。また、国際的な協調と情報共有の重要性を強調し、各国当局に対して、グローバルな金融システムの安定性確保のために、引き続き積極的な取り組みを求めています。
記事は、NBFIセクターの強靱性向上は金融システム全体の安定のために重要であり、継続的な努力と国際協調が不可欠であることを結論づけています。